医療

地域・家族・本人・医療に関わるコメディカルスタッフが向き合って問題解決を:総合診療専門医

2/4おはようございます。
節分が過ぎ、今日は立春ですね。
皆様、お風邪などひかれておりませんでしょうか。
 
昨日毎日新聞様や日本経済新聞様に掲載されました、総合診療専門医について書こうと思います。
 
まず最初に、神の手を持ち(スーパードクター)神的存在の医師が専門医ではありません。
 

専門医とは、各診療科において、標準的な医療をお客様(患者様)に提供・状態や治療の選択などの説明ができ、患者様から信頼される医師です。

総合診療専門医とは、
患者の特定臓器に着目するのではなく、地域に住むあらゆる年齢、性別の患者の健康問題に向き合って治療(日本プライマリケア連合学会HPより)することです。

総合診療専門医になるには、
総合診療医になるには、国家試験合格後2年の初期臨床研修→3ー4年間の内科、小児科、救急などの専門研修→認定試験が必要です。
診療科を選ぶ医師に比べて、
●専門性がない
●卒業すぐにキャリア像が見えない
などの理由があります。

私は1人でも多くの先生が誕生して欲しいと思います。

メディアなどの記事の他に、3つを入れて欲しいです。
●奨学金制度
●退職してもすぐに働ける場所の紹介
●学生の内から地域(救急がある病院以外の地域で働く医師、事務、看護師、ケアマネージャー、薬剤師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、ボランティアなどの医療に関わる全てのコメディカル)と接する研修を作る

理由は、地域と関わり、様々な訴えに対して診療するからです。

診療室以外の自宅での患者様の過ごし方(姿勢、生活力など)は訪問ヘルパーや看護師、ケアマネージャーが知っています。

医療者になかなか打ち明けられない状況や普段の過ごし方、ご家族の関係性は、ボランティアスタッフ様が知っているかもしれません。

さらに3つ目に関しては、
東京財団政策研究所HPにあります、
【日本の教育は多職種同士で交流が少ない。他の職種に関する教育システムも縦割りになっている。】内容について、
なりたい自分に向かって学習している段階でチーム医療を学ぶ事で、
将来、多職種と連帯してコミュニケーションを図る医療が可能だと思います

これらの内容から、
私はこの3つを書きました。

今よりも、これからは、
その人を取り巻く環境を踏まえた上で、
医療に関わる人達で患者様をケアできる未来を望みます。

参考資料↓

日本プライマリ・ケア連合学会誌 2019, vol. 42, no. 3, p. 134-140
総合診療医について、

要旨 背景:特定の臓器に偏らず幅広い視野で患者を診ることができる総合診療医が日本には必要であるものの認定制度開始は近年のためその育成は急務である.
目的:総合診療に興味を持ちつつ臓器別専門医を選択した医師にインタビューを行い,「進路決定に関する要 因」を抽出し、より理想的な総合診療研修の方法を検討する.
方法:2017 年 4 月~2018 年 4 月,
5 名の対象者へ現在のキャリア選択に至った経緯について半構造化面接をお こない逐語録化されたデータを修正グラウンデットセオリーアプローチを用いて分析した.
結果:臓器別専門医選択の理由は「学問としての魅力」「他の医師から頼られる存在」「専門性を得る安心感」が あがり,総合診療医の障壁として「将来の不安」「臓器別専門医からの批判」などがあがった.
結論:より理想的な総合診療研修のためには,充実した地域医療研修や専門医制度の確立,総合診療再研修の提案・実践を行うことが必要である.

●2025年問題 超高齢化はこれから!
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」によると、2015年には「ベビーブーム世代」が前期高齢者(65~74 歳)に到達し、その 10 年後(2025年)には高齢者人口は約 3,500万人に達すると推計される。これまでの高齢化の問題は、高齢化の進展の「速さ」の問題であったが、2015年以降は、高齢者数の多さが問題。

「病院の総合診療科は要らない」との意見も(東京財団政策研究所HPより引用)
日本で必要と思われたのは家庭医や総合診療医が育っていない分、患者が大病院に行くので、振り分け外来を作ったに過ぎない。大学病院や大病院に総合診療医を置くと、宝の持ち腐れになる。開業医や診療所は「自分の所じゃない」と専門家に手渡すが、大学病院で各科が同列なので患者を手渡さない。その結果、それぞれの専門家を信用しなくなり、信頼関係ができない。
この点は救急も同じ。専門家との協力体制が殆ど出来ていない。

体だけじゃなく、心や社会的側面を診る手法が重要。実際の診断からフィードバックできているかが大事だ。
▼現在、大学では予防医療とヘルスプロモーションは殆ど教えられていない。患者との対話についての教育は漸く始まった。「良いコミュニケーターであるべきだ」という考え方は医学部に入って来たが、地域ケアや公衆衛生に近い手法は殆ど教えられていない。実際の診療にどう実践するかが課題。
▼日本の教育は多職種同士で交流が少ない。他の職種に関する教育システムも縦割りになっている。
▼指導医は総合診療の手法を学んだことが無い。何となく実践しながら「体だけ診るとダメ」「社会的ファクターを見るべき」といった形で学んで行くが、理論やメソッドとして教育していない。総合診療が上手く行く理屈をプログラムとして教えることが大事。

※写真は毎日新聞は投稿者が撮影。
他は、全てネットからお借り。

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