4/6.おはようございます。
すっかり春の陽気となり、都内は桜が散り始め、東北は桜が満開の時期ですね。
コロナ後の新学期、皆様いかがお過ごしですか。
今回は入浴介助中の介助者の体を守る「ボディメカニクス」についてお伝えします。
ボディメカニクスとは、人間の運動機能である骨・関節・筋肉等の相互作用や、力学的な相互関係を活用して実施する体の動きです。
ご自宅で介護を行う方や、福祉施設などで働く介護職員は、介護を必要とする人を抱えたり、持ち上げたり、支えたりしなければならない為、この作用を応用して自分を守る対策が必要になります。
ご自宅の介護で腰痛は、日本人の80%の方が一生に一度は経験するといわれます。【腰痛は2種類ある】
1.原因がはっきりしている特異性腰痛
すべり症・ヘルニア・脊柱管狭窄症など
2.原因がはっきりしない非特異性腰痛
ぎっくり腰など
また、非特異性腰痛になる原因は腰への負担などの要因やストレスなどの「心理社会的要因」があります。
ご自宅の介護で腰を痛めてしまう方は多いですが、なかでも入浴介助は腰に負担がかかりやすい動作がたくさんあります。
高齢の方を抱き抱える、前かがみになって足を洗う、介護される方の体を支えたりすることを繰り返しているうちに、最初は気をつけていてもつい、力が入ってしまったり、逆に慣れてきた時期に作業的になってしまい、ある日ギクっと腰痛を発症してしまう方が多いようです。
その為、人の介護を日々行う為には『ボディメカニクス』がポイントとなります。
介護が必要な方の正しい体の使い方をすることによって、無理なく支えたり、移動を介助できます。
気合いを入れて力を入れる動作はしていませんか。【ボディメカニクスを応用した安全な3つの入浴方法】
(1)広い面積で、自分の体を密着して支える
体を支えるときは、出来る限り相手に近づいて自分の体を密着させます。特に椅子から横に移動する、立ち上がる際は密着する事で同じ動作を誘導し、力がより大きく伝わるので、介護者の負担が少なくなります。
床が滑ったり、足を踏み外したりしても、介護者の身体の一部で支えられる利点もあります。離れていると大きくどちらかに引っ張られお互い転倒等リスクが高まります。
脱衣所から浴槽までなど特に転倒リスクの高い場所は介助者は介護する方との距離を近付ける意識が常に重要です。
(2)両足は肩幅に開いて腰を落とす姿勢で介助者は体を支える
ボディメカニクスの原理でポイントは「支持基底面積を広くとり、重心を低くする」ということがあります。床面に接している部分の広さを広くするという意味です。
具体的には両足を肩幅くらいに開いて、腰を低めに落とし、お相撲さんの様にどしんと重心を安定させます。
移動前の立ち上がらせたり、体を洗った後の立ち上がり、あらゆる支える場面で自然な人の動きに近づけて介助する事で、腰への力の負担を軽減します。
(3)腰を曲げるより膝を曲げる意識の姿勢
力を入れて前かがみで介助するのは、首から腰まで力が入ります。普段しない重心の無いこの姿勢は腰痛の元!両膝を曲げて腰を落として重心を意識して介助しましょう。
1番学ぶおすすめ方法としては、自分でお風呂の椅子に座って立ち上がってみる事です。
通常人は椅子から立ち上がる際、少しお辞儀する様な動作から両膝を軸にし立ち上がります。この動作を一緒にすれば1番負担がかからず、これをボディメカニクスと言います。
体を洗う際の負担軽減としては、シャワー浴のみの際は、浴槽が深めでしたら、介護される方は浴室内の椅子に座り、逆に介助者が浴槽に入り、体を洗い流す方法もあります。ご自身が安定した姿勢で介助することが、入浴介助を安全にするコツです。
ボディメカニクスは自分を守るための腰痛予防にも大きな効果があります。
ぜひ実践して行きましょう。
入浴介助者の体を守る
ボディメカニクスを応用した安全な3つの入浴方法
いかがでしたか。
今日も素敵な一日になりますように。
今日も行ってらっしゃいませ。